2024年09月11日

屋根・屋上の防水工事はどのような手順なの?施工手順について詳しく解説

屋根・屋上の防水工事はどのような手順なの?施工手順について詳しく解説

屋根・屋上の防水工事を専門業者に依頼する際には、いくつかある工法の中から、予算や効果、現在の屋根・屋上の形状や状態に合ったものを選ぶ必要があります。防水工事は決して安い工事ではなく、頻繁に行うものでもないので、工事の手順についても把握しておきたいものでしょう。そこで今回は、屋根・屋上の防水工事について、いくつかある工法それぞれ詳しく解説していきます。

ウレタン防水の施工手順とは?

「ウレタン」は正式には、防音性・柔軟性・耐衝撃性を備えたプラスチック樹脂素材の「ポリウレタン」です。化学反応で硬化させるとゴムのように弾力のある材質になって、密着力も増すので、屋上・屋根の防水材としてウレタン防水は人気の工法だといえるでしょう。

このウレタン防水の工法は、「密着工法」「メッシュ工法」「通気緩衝工法」の3種類あります。ここでは、それぞれの施工手順を紹介していきます。

密着工法

まずは下地の汚れを高圧洗浄で掃除し、ケレンでさらに下地に残った防水層などを取り除きます。凹凸やクラックなどを平らにする下地処理、雨水を集めて樋へと流すドレンの設置をしたら、下地と防水材を密着させる接着剤「プライマー」を塗布します。陸屋根・屋上のふち部分の立ち上がり「パラペット」は漏水しやすい部分なので、とくに丁寧に塗布することが欠かせません。プライマーを塗布した上から、ウレタン塗膜を均等に塗り、しっかり乾かします。ウレタン塗膜を下塗り・中塗りの二度塗りしたら、保護塗料であるトップコートを塗布して完成です。

メッシュ工法

密着工法の手順の金尾、プライマー塗布後に、メッシュシートを張る工程の加わるのが、メッシュ工法です。そしてウレタン塗膜は、下塗りせず中塗りを行います。

通気緩衝工法

通気緩衝工法は、下地・防水層間に通気緩衝シートを敷くことで、下地の水分を外へと逃がせる工法です。圧洗浄・ケレン・清掃・下地処理・プライマー塗布の後に、通気緩衝シートを貼り付けます。シートのつなぎ目部分には、ジョイントテープを貼っていきます。雨水を排水する改修用ドレンとともに、下地に含まれた水分を外に排出するための脱気筒を取り付ける点が、この工法の特徴でしょう。その後、ウレタン塗膜を下塗り・中塗りの二度塗りして、トップコート塗布して完成です。

FRP防水の施工手順とは?

FRP防水の施工手順とは?

FRP工法は、ガラス繊維の強化プラスチックであるFRPによる防水工法です。高圧洗浄・ケレン・清掃・下地処理・改修用ドレンの設置・プライマー塗布の後、次のような施工手順となります。

・ガラスマットと樹脂の塗布:FRP防水用ガラスマットを貼り付け、FRP樹脂を塗って密着させる
・中塗り:余分なFRPガラスマットを削り落とした後で、2層目の中塗り
・トップコート塗布:保護塗料を塗布して完成

シート防水の施工手順とは?

シート防水は、塩ビ製またはゴム製の防水シートを次のような手順で貼る工法です。

・高圧洗浄:汚れやゴミ・ほこりなどの清掃を高圧洗浄機で行う
・下地処理:凹凸のある部分を平らに整える
・改修用ドレンの設置:雨樋と防水層を繋いで雨水を排出するドレンの設置
・プライマー塗布:下地と防水シートを密着させる接着剤「プライマー」を塗布
・シート貼り付け:しわや気泡の入らないようローラーで転圧しつつシートを貼る
・シート接合:防水シートの接合部分を熱接着または溶剤融着で接合する
・接合末端部にシール:シートのつなぎ目をシール材で保護する
・パラペットを処理:陸屋根・屋上のヘリ部分の立ち上がりにも、シートの貼り付けや笠木の新設をする

アスファルト防水の施工手順とは?

アスファルト防水には、「トーチ工法」「熱工法」「冷工法」の3種類の施工方法があります。

トーチ工法

トーチバーナーでアスファルトの染み込んだシートの裏面を炙り溶かし、下地と接着する工法です。

・下地掃除:汚れやゴミの掃除
・下地処理:不陸調整で平らにする
・改修用ドレンの設置:雨水を排出するドレンの設置
・プライマー塗布:ローラー刷毛などでプライマーを塗布する
・パラペットにシートを貼り付け:立ち上がり部分にシートを貼り付ける
・アスファルトシート貼り付け:シートの裏面と下地をトーチバーナーで炙り、溶融させながら貼り合わせる
・トップコート塗布:防水層を保護するトップコートの塗布で完成

熱工法

熱工法は、加熱して溶融させたアスファルトを使い、アスファルトルーフィングシートを数枚積層させる工法です。施工手順は、下地掃除・下地処理・改修用ドレンの設置・プライマー塗布・パラペットにシートの貼り付けまでは、トーチ工法と同様です。それ以降は次の手順で進められるでしょう。

・アスファルトルーフィングシートの貼り付け:アスファルトルーフィングシートの上に、溶融アスファルトを流し貼り合わせる
・アスファルト塗り:溶融アスファルトをシートに塗布していく

常温工法

常温工法は、下地掃除・下地処理・改修用ドレン設置・プライマー塗布・パラペットにシート貼り付けまでは、トーチ工法・熱工法と同様です。その後、改質アスファルトシートを下地に貼り付け、シートのつなぎ目をシールで保護し、トップコートを塗って完成します。

まとめ

まとめ

屋根・屋上の防水工事には、「ウレタン防水」「シート防水」「FRP防水」「アスファルト防水」の4種類あります。それぞれいくつかの工法があり、手順は異なります。実際の工事が始まる前におよその流れについて把握しておくと、工事が始まってからも安心でしょう。

「株式会社ミナミダ」は、兵庫県姫路市にあるリフォーム工事・補修工事の専門店です。内装・外構リフォームはもちろん、外壁リフォームや屋根・屋上の防水工事も承っております。実際の工事に入る前に、施工手順についてもお話しいたします。工事が始まってからも、今どのような工程中なのかなど、ご不明な点がありましたら、なんでもお尋ねください。